中国富裕層の最近のブログ記事

ここでちょっと寄り道をして”富裕層”という言葉について考えてみたいと思います。

 
この間、中国のテレビで言っていたのですが、現在”ホワイトカラー”と呼ばれるための条件として”個人月収2万元(日本円で約24万円)以上、持ち家がある、車を保有している”というものでした。
 
 
しかし、これは富裕層と言ってもほんの入り口で、中国にはまだまだ想像を絶するお金持ちがいます。
 
 
昨日その想像を絶するお金持ちに呼ばれて内装が終わったお家をみてきたのですが、家の面積が500㎡、庭の広さも500㎡ほどありまして、購入価格は3400万元(日本円で約4億円)、これを3軒ほど買ったそうです。しかもキャッシュです。ということは12億円を現金で準備できる財力を持っているということになります。この方は最近急成長している中国企業のオーナーさんです。
 
 
個人月収2万元のホワイトカラー、キャッシュで12億円を準備できる会社オーナーさん、どちらも富裕層ですが(会社オーナーさんは富裕というより富豪と呼ぶほうが良いと思いますが)、ものすごく大きな差があります。
 
 
更にこの中間に年収100万元以上500万元以下或いは500万元以上1000万元以下くらいの裕福な人たちがいます。
 
年収100万元以上500万元以下の富裕な人たちは、イメージ的には郊外のビラと呼ばれる一戸建てに住んでいて、投資として不動産を3.4軒所有、車はBMWの5シリーズかベンツのEクラスを保有、子供をインターナショナルスクールに通わせているか、海外留学をさせており、頻繁に海外旅行に出かけるという感じでしょう。
 
これが年収500万元以上1000万元以下になると、車が5シリーズから7シリーズに、EクラスからSクラスに、投資物件は10軒(海外不動産も含む)ほどにバージョンアップします。
 
ということで、”富裕層”といっても、一つの決まった像があるわけではなくて、非常に乱暴に分けるだけでも、上のように最低4つくらいにはなりますし、それぞれまったく異なる特徴を持っているので富裕層をよく理解するためには、こうした分類は非常に重要になります。
 
こうした情況を理解すれば”富裕層を攻める”という言葉が実はものすごくぼんやりとした、ターゲットや目的が不明確な言葉だということがわかります。
 
次回からは、それぞれの富裕層別にその特徴(ライフスタイル、情報摂取方法等)を紹介していきたいと思います。
 富裕層、お金持ちというのは交際範囲が広いので(たまに狭い人もいるが)、自分から一生懸命にならなくても情報はいろいろなところから入ってくる。
 
なぜなら、お金を儲けたいと思っている人、富裕層とお近づきになりたいと思っている人、自分もより富裕なお金持ちになりたいと思っている人は、現在の圏子からステップアップを目指して更に上層の圏子に仲間入りするために、そうしたきっかけになりそうな自分よりも格上のお金持ちに”お土産的な耳より情報”を提供することが多いからだ。
 
なので、富裕層、お金持ちの主要な情報元というのは、友人・知り合いという所謂口コミということになる。上述のような外部から入ってくる情報以外にも、どこの圏子にもメンバーの行動や決定に大きな影響を与える強力な情報を発信するインフルエンサー的な人物がいるが、圏子の規模やメンバーの関係によってインフルエンサーが1人の場合と複数の場合とがある。
 
圏子の中で1人圧倒的な影響力を持つ(経済力がある、強力なコネがある、カリスマ性がある)インフルエンサーがいるような場合には、圏子メンバーの行動指針、傾向がこの1人のインフルエンサーの行動に左右されることが多い。他のメンバーはこのインフルエンサーに対して、経済力、顔の広さ、カリスマ性という様々な理由から、一種の尊敬や畏怖の念を抱いているので(利益を得ようという打算が動機の場合も多いが)、このようなタイプの圏子は、1人の王様とその他のメンバーという構成のため、王様に認められれさえすればメンバーとして参加しやすいというメリットはあるが、逆に王様のご機嫌取りが欠かせないため、時によると王様のご寵愛を得たいがためにメンバー間で足の引っ張り合いが発生したりするというデメリットやリスクがある。
 
これとは逆に、圏子の中に特定の強力なインフルエンサーは存在せず、メンバーが皆同等の影響力を持っているタイプの圏子もある。このタイプの圏子は、外部からの情報の媒介が特定のメンバーに偏っていないため、圏子としての結束力は強くはないが、常に外部に対してオープンであり、メンバー毎に興味の対象が異なっているため、常にいろいろな情報が入ってくるというメリットがある。王様がいるわけではないので、圏子のメンバーと接触することは比較的容易だが、絶対的な決定者がいないために、圏子の全てのメンバーに認められるには時間がかかる(仮に圏子の中に1人のメンバーと非常に仲良くなったとしても、圏子のメンバー全員に認められていない間は、その1人のメンバーの友人に過ぎず、圏子の構成員とはみられない)。
 
 
整理すると圏子には王様がいる”縦断型”と複数メンバーが同等の関係を維持する”横断型”があることがわかる。全ての圏子がこの二つのタイプに分けられるわけではなく、多くの場合は、構成メンバーが多く、圏子内に複数の王様的な人物がいる”複合型”になっているが、”縦断型”であれ、”横断型”であれ、また”複合型”であったとしても、圏子を構成する富裕層、お金持ちが取得する情報は、外部からもたらされることが多く、
積極的に自ら摂取するという行為がきっかけのものは少ない。
 
もちろん、圏子の構成メンバーもそれぞれ普段からメディア情報等に接触はしているが、それだけで購買行動や行為が決定されることはまずなく、こうした普段の情報接触が圏子に持ち込まれ、メンバー間で咀嚼、消化され、圏子の共通認識として成立した空気が、圏子メンバーの最終的な購買行動や行為を決定する媒介になる。
 
なので富裕層やお金持ちにアプローチしようと考えた場合、メディアで発信する情報がどう届くかというだけでなく、その情報が圏子に持ち込まれた時にどのように咀嚼、消化される可能性があるというところまで見通しておく必要がある。
 
圏子メンバーの情報の摂取、咀嚼、消化についても一定のパターンが存在するが、それはまた次回に。

日本人が誇るサービス精神”おもてなし”。ものづくりで韓国や中国から追い上げを受ける(已に抜かれたものも多いですが)日本の切り札として最近よくきかれるようになりました。

 
ただ、この”おもてなし”という概念、日本国内では良いのですが、海外(特に中国)に向けて発信する場合、いろいろと難しいことも多い気がします。
 
例えば、
 
 
”お客様は神様”という言葉、中国では”お客様は皇帝陛下”という言葉になります。ただ、この二つの表現の間には微妙に差があります。
 
日本ではお客様を神様と考えて最も地位の高いものとして、最高の敬いとサービスを提供するという考え方があります。ただ一方で日本人の神様観がさせるのか、最上級の扱いをしながらも、どこか人間的な繋がり、コミュニケーションが残っていて、それが”おもてなし”ということにつながるのだと思います。
 
一方”お客様は皇帝陛下”という考えの中国の場合、そこには絶対的な地位の上下があります。誤解を恐れずに言えば、サービスを受ける側とサービスを提供する側には絶対的な階層の違いがあり、両者にコミュニケーションの余地はなく、サービスを提供する側は、サービスを受ける側に条件なく義務的に奉仕するというイメージを感じさせるので。
 
もともと、中国で神様と言えば孔子様も”敬して遠ざける”とおっしゃったくらいですから、中国の人からみれば神様にされてもあまりうれしくないかもしれません。ということで、中国消費者からすると、日本人の考える極上のサービス”おもてなし”という概念は実は意外に理解が難しいことかもしれません。
 
もちろん、日本へ旅行に行った人たちが日本で”おもてなし”を体験すれば話は早いですが、それができる人はまだまだ少数ですから、日本の”おもてなし”を広めようと思えば、やはり中国で普及させていく必要があります。
 
話は富裕層に戻りますが、
 
これは中国だけではないと思いますが、お金持ちはわがままです。そして現状、中国のお金持ちはサービスの良さとして”お客様は皇帝陛下”的なものを求めます。なので、”お客様は神様”というサービスを受ける側と提供する側のリスペクトとコミュニケーションの中で成立する”おもてなし”は中国のお金持ちにはなかなか理解するのが難しいと思います(”お客様は皇帝陛下”という言葉にもリスペクトがまったく存在しないというわけではありません”。
 
日本人はこれを子供のころから普通にやっていますが、これはある意味すごいことで、実際に世界に誇るべきものだとは思いますが、わがままな中国のお金持ちが「日本のサービスはすばらしい」というイメージと「サービスとはお客様は皇帝陛下という精神だ」という考えを持って日本へ行くと、日本の”おもてなし”との間にギャップが生まれてしまい、お金持ちほど日本のサービスへの期待値があまりに大きいために、結果的に「言うほど大したことなかった・・・・・・」という事態が発生します。
 
これは日本のサービスが悪いのではなく(そういう場合もあるかもしれませんが)、そもそも中国のお金持ちが考える”良いサービス”と日本人が考える”おもてなし”の間に大きな違いがあることに起因します。
 
中国の超富裕層を日本の豪華旅行に呼ぶという企画が一時流行ったことがありましたが、実際問題として、一番のネックはこの両国のサービスのギャップをうまく埋めることができる人材、つまり”日本的なおもてなしの精神を発揮しつつ、皇帝陛下に仕えるように相手に優越感を与えることができる”人がいなければ、なかなかうまくいかないと思います。 
 
 
 
日本のサービスが”満足感という心地よさ”であるとすれば、中国のお金持ちが考えるサービスは”優越感という心地よさ”であると思います。となると、中国で”皇帝陛下に提供するおもてなし”を実現するには、人の教育もそうですが、ハードウェアとしてそれを実現できるパッケージをしっかり作ってあげることがとても重要になるのですが、それはまた次回にお話します。

 ~ブランド製品とお金持ちの関係~

 GDPで已に日本を抜き世界第二位の経済大国となった中国、世界中の企業が中国市場での成功を目指しており、街には已に大量のモノがあふれている。この20年で急速にお金持ちになった富裕層にとっては、お金さえ出せばどんなものでも手に入れることができる時代になったといえる。とはいえ、中国でお金を払えば手に入れることができるものというのはあくまで"モノ"にすぎないのであって、現在の富裕層はそれ以上のものを求めるようになっている。

 

 中国でブランド品が飛ぶように売れるのは、当然経済的に豊かになり物質的な欲望を満足させたいという動機もあるが、多くの富裕層が"自分は特別な存在である"、"誰かからすばらしいサービスを受ける資格がある"と感じたいという動機のためにブランド品を購入するようになりつつある。つまり、ブランド品の購入は従来の物欲を満たす行為から"ラグジュアリーブランドを購入する体験"を楽しむものへとシフトするようになっているのである。

 

 更に説明すると中国の富裕層は、同階層の人々との結びつきが強い。自身の社会的なステータスのレベルによって交際相手を選択する特性を持っており、こうした同階層(経済力的なレベル)を中国語で"圏子(Quan zi チュエンズ)"と呼ぶ。例えば、"圏子"の中に5人のメンバーがいた場合、4人がBMWに乗っており、自分だけがそれよりもグレードが落ちる車に乗っている場合、彼はそれが自分のメンツが立たないと考え、圏子のバランスを保つためにBMWを購入することが多い。彼らは、"自分くらいの社会的身分ならBMWに乗るのが相応しい"という考えを持っており、一般的に自分が好きなら、他人がどう思おうと関係無いというマイブーム的な考えとは無縁の人たちである。

 

 圏子は比較的クローズドな世界であり、自分たちより格が下だと考える人間がメンバーに加わることをあまりに好まない、その一方で自分たちより遙かに格上の人間が加わることも自身のメンツを考えれば敬遠するこが多い。とはいえ、富裕層は個人としては常に格上の圏子にステップアップすることを夢見ていることが多いため、そうしたある意味での向上心はラグジュアリー製品の購入の動機としてはポジティブな影響を与えることが多い。

 

 また、圏子のメンバーは、"自分たちだけの~"、"我々だけのための~"というインセンティブに目がないという特性を持っているため、会員制のクラブや集まり、ゴルフ場、パーティーといった選ばれた人々だけが入ることを許された場所を好む。なので、ラグジュアリーブランドが提供する製品を含めた、"自分は特別な存在である、誰かからすばらしいサービスを受ける資格がある"と感じさせるサービスと体験は、圏子のメンバーである富裕層が最もお金をかける価値があると考える経済活動になっているのである。 

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