グレートファイアーウォールと何が違うのか?

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「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策

日本国内のニュースなんですが、ちょっと中国を引き合いに思うことがありましたので。
これは海外でも話題になりそうな予感がします。

記事の最後のほうに「総務省の事務方はかなり積極的だったが、参加者の間では慎重論」とあります。参加者ってのはプロバイダー業者の方々なんでしょう。要件からするとプロバイダーのほうが儲かるので積極的にやりたく、総務省はプライバシー侵害の可能性があるので待ったをかけてもいい気がします。そう考えるとなんとなく奇妙な話し合いの感じがしますね。

この仕組みが実現されると、技術的な観点から次のことが考えられます。

  1. 提供すべき広告を分析するために、ユーザーの通信データをある程度の期間、ある程度の量蓄積する(おそらく現在ウイルス駆除などの目的で一時的に蓄積されているデータよりも多い)
     
  2. 1に関連して、通信データと個人をひもづける情報もある程度長い期間蓄積されるのかもしれない。
     
  3. 通信データは検索キーワードよりもプライベートなデータが蓄積される可能性がある。(アクセスしたサイト、そのサイトでどんな操作をしたか、何を登録したか、どんなファイル、画像をダウンロードしたか、どんなメールやSkype、インスタントメッセージをやりとりしたか など)

まあ他にもあると思いますが。

これだけのデータを蓄積した場合、広告提供以外の用途にいろいろ使えますね。
簡単に言うと、ある特定の人が最近ネット上でどのような行動をしたかということが全てトレースできます。これはすごいですね、警察の犯罪捜査などに非常に有効でしょう。

しかし、、よく考えてみるとこれって検閲なんじゃないでしょうかね?
技術的な仕組みとして、プロバイダが得られる情報は中国のグレートファイアーウォール(金盾)のそれと変わらないような気がしてきました。

さらには最近中国で全面的な導入が見送られたGreenDamとも同じことができそうです。

あくまで技術的にはということなので、総務省が「検閲目的には決して使用しません」と言ってしまえば検閲ではないのかもしれないです。しかし検閲が実現できる仕組みを実現するということ自体が検閲であると定義できないとも言えないかと思います。このへんは記事中で鈴木教授がおっしゃっている

業者がうそをつくことを前提にした制度設計が必要

ということにかかると思います。

技術的に業者がうそをつけない仕組みが実現できればいいでしょう。しかしかなり困難ではないでしょうか。制度づくりも同様で、実現できたとしてもプロバイダ業の運営に大きなリスクが伴うモノになる可能性があります。だからプロバイダも慎重なんじゃないでしょうかね。

以上、中国を引き合いにしたちょっと極端な解釈でした。
しかし場合によってはひどいことになるよという可能性を示したくて書いておきます。

まあ日本のインターネットが検閲されるなんてことにはならないと思いますけどねえ。

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