中国奮闘記(9)

| コメント(0)

中国へ来たなら少林寺は外せない、子供のころからゴールデン洋画劇場でジャッキーチェンをみて育った世代の僕は、同い年である友人とともに迷うことなく少林寺を目指した。

最近は株式会社として上場するのしないのとか、トップがMBA取得者とか、境内無線LAN完備とかハイテクな話題を振りまく少林寺だが、僕たちが訪れた10年くらい前は、割とこじんまりとした、素朴な感じのお寺だった。

本来なら素朴で質素で荘厳な境内に感動するはずの僕たちだったが、そのとき映画のイメージがあまりに強かったせいか、めちゃくちゃ道に迷って疲れ切っていたせいか、二人して「ふ、ふつうやね・・・・・・」という感想しかもてなかった。

それでも境内で手作り感たっぷりのキーホルダーとかお守りとか、少林寺紹介VCD(DVDの一世代前で、中国では当時主流だった)等も売られていて、当時からそれなりに商売っ気はあったのだけども、いたって普通のお寺という感じだった。

正直期待外れだった友人と僕は疲れていたので道ばたでぼうっと座っていたのだが、二人でどうやって帰ろうか相談していると、向こうからお坊さんが歩いてくるのがみえた。

このお坊さんが絵に描いたような少林寺のお坊さん(あの髭なイメージです)で、枯れて全然強そうにはみえなかったけど、如何にも映画に出てきそうな雰囲気を醸し出していた。疲れてハイテンションで大胆になっていた僕たちは、いっしょに写真を撮ってもらえないか頼んでみた。とても良いお坊さんで、年の頃は70代くらいだったと思うのだが、嫌な顔ひとつせう、いろいろなポーズもとってくれた。

ひととおり撮影が終わると、そのお坊さんは僕たちの中国語があまりに下手くそなので外国人だと気づいたようで「どちからから来たのかな」と質問してきた。僕以上に興奮していた友人がうれしそうに「日本から少林寺をみにきたのです」とちょっとしたリップサービス的嘘を明らかに発音が間違っている中国語でお坊さんに返した。

するとお坊さん、ものすごくなまりのある僕たちにはちょっとレベルが高すぎる中国語で「ほう、日本から、それはそれは遠くから有り難くもあるが、物好きなことじゃ、それほどの熱意があるなら、若者たち少林寺に入門せんかね?」といきなり僕たちをスカウトし始めた。本当かどうかしらないが、少林寺ではスカウトのような人がいて、常に入門者を募集しているらしい。

突然少林寺のお坊さんにスカウトされて興奮してしまった友人と僕は少林寺の待遇やら将来どうなるのか等熱心に聞いたのだが、お坊さんのなまりがあまりに強すぎて何を言っているのか1割くらいしか聞き取れなかったので、残念ながら丁重にお断りして、少林寺を後にした。

映画をみてあこがれて訪れた少林寺で起こった珍妙な出来事は、砂漠で迷子になった事件と同様にどこか現実感のない体験として、今でもはっきりと覚えていて、今後も忘れることはないと思う。

ちなみに思うのですが、外国人って入門できるのでしょうか。出家したらビザは何になるのかな。労働ビザ、観光ビザ、出張ビザは違うでしょうし、出家ビザなんてある?

コメントする

最近の記事

このブログ記事について 記事について

このページは、qianlanが2010年5月 8日 12:15に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「今日の検索ワード急上昇ランキング(百度から)」です。

次のブログ記事は「今日の検索ワード急上昇ランキング(百度から)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。