
中国では依然として”豪華(広いとか快適という意味も含む)で排気量の大きい車”が売れます。
これは中国全体としてという意味です。
都市部でコンパクトカーの人気が高まっていますが、これも少し説明が必要です。
なぜコンパクトカーが売れるか?
いろいろな意味で”安い”からなのです。車自体が安い、ガソリン代が安い、税金が安い、ランニングコストが安い等々、いろいろな理屈をつけてみてもやはり消費者からすれば”
安い”ということが一番のモチベーションになっていることは確かです。
しかし、ここでいう”安い”は日本人が考える”安い”から軽自動車を買うとは少し違った考え方が必要です。
中国の消費者は今やっと車が手に届きそうなところまで豊かになりつつあります(貧富の差は大きいですが)、となると中国の消費者にとってこの”安い”というのは、何とか手が出るという意味の”安い”なのです。
成熟した日本市場の消費者が全体を見渡してみて”安い”軽自動車で十分だとという結論にいたったのとはまた違った、何とか買うことができる”安さ”です。
ということを理解して初めて、先日あったような中国メーカーの自動車をカローラに改造するという現象が説明できるようになります。
なので、冒頭にも書きましたように、中国の消費者は本当は”豪華で排気量の大きい”車が欲しいのです。
1.6リッター以下という数字の意味
ちょっと話を移して中国政府の小排気量自動車推進政策、”1.6リッター以下の車両については税金を安くする”という政策が実施されていますが、個人的にはこの1.6という数字から、政府は中国消費者のことを非常によくみているというふうに感じます。
1.5リッターと1.6リッターでは、受ける印象がまったく違うのです。1.5は1代の真ん中ですが、1.6は1代の後半ですからこれが限りなく1.8リッターや2.0リッターというより大きな排気量に近づいているという感覚を植え付けることになります。
つまり1.6という数字を提示することによってよりメーカーに恩恵を与えると同時に、消費者にも心理的な満足を与えるという意味では絶妙な数字設定になっています。
予算に決まりが無かったとして、中国消費者の好みからいって、1.0より1.3、1.3より1.6、更に1.8、2.0、2.4と排気量は大きければ大きいほど良いというのが本音だと思いますから、その大排気量信仰に折り合いをつけて、販売促進につなげる境界線が1.6という数字なのだと思います(当然今市場で販売されている車の一般的な排気量という側面も大きいですが)。
だとしたら、ここから先コンパクトカーで売れるのは1.6リッター以下で予算の問題をクリアーしつつ、中国消費者の好みである”豪華”(広い車内空間、豪華なインテリア、快適な乗り心地)をおさえた車の人気が高まるのは自然な流れではないかと考えます。
そのあたりの流れをうまくつかんでいるのが上海GMや上海VWだと思いますが、そのお話はまた次の機会にしたいと思います
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