中国、オンラインの「ゴールドファーミング」を規制:ニュース - CNET Japan
「ゴールドファーミング」という言葉があります。
ネットゲームで、ゲーム内のお金を販売目的で集めることを指します。集めたお金はネットショップやオークションで現実のお金で販売されます。これをRMT(リアルマネートレード)と呼びます。
現在稼働しているオンラインゲームのほとんどのお金を対象にしてRMTが行われています。現実のお金で販売されているのはゲーム内のお金だけではなくて、なかなか手に入らない貴重なアイテムも高額で販売されています。試しにYahoo!オークションなどでオンラインゲームのタイトルで検索してみると、非常に多くのRMT商品が結果表示されます。
オンラインゲームをされたことのない方は、「そんなものが本当に売れるのか?」と思われると思います。これがどうやらかなり売れるようです。オークションの結果から辿っていくと、RMTを専門としている株式会社にたどり着くことができます。会社組織で運営するほどRMTが業務として成り立っているということですね。もはや一定の市場規模を持つジャンルであると考えられています。
RMTを利用するネットゲームのプレイヤー心理としては、「ゲームをする時間がないけどゲーム内で他の人より優位にたちたい」というのが主だと考えられます。今日のネットゲームは財産の量や付加価値の高いアイテムを持っているプレイヤーが優位に立てるよう設計されているものがほとんどです。それに熱中するプレイヤーは他のプレイヤーよりもたくさんお金を稼いでレアなアイテムをゲットしようとやっきになります。
一日何時間もプレイできる人は自然と優位に立てますが、仕事や家族を持ちながらプレイしている人は時間がないのでなかなか優位に立つことができません。周りの人たちがどんどん上に上がって行ってるのに、自分だけが足踏みしている現状がもどかしくなって「ゲーム内のお金を現実のお金でかえたらなあ・・・」という衝動に駆られるわけです。
ほとんどのオンラインゲームの利用規約ではRMTは禁止事項となっています。
しかし、RMTを厳しく取り締まるとゲームのプレイを諦めてゲームを解約するユーザーが増える可能性があります。そのため、利用規約では禁止をうたうが実質黙認している。というゲーム提供会社がほとんどです。
最近のオンラインゲームでは、意図的にRMTをあおるような設計のゲームも少なくありません。オンラインゲーム産業もだいぶ市場争いが厳しいと聞きます。RMTが好ましい風潮でないのはわかっていても背に腹は代えられないということでしょうか。
さて、このようなオンラインゲームの現状に中国がどのように関わっているのかというと、ゴールドファーミングで強く関わっています。
伝え聞いたところによると、中国のとある農村部では農具小屋の中で十数台のPCが稼働しており、農民が24時間交代制でオンラインゲームのお金稼ぎに勤しんでいるのだとか。光景を想像するとなんともSFな感じがしますが、オンラインゲーム内で同じキャラクターが四六時中淡々とモンスターを倒してお金を取り続けているのをみると、この話は信憑性があると思います。
農村部では現金収入を得られる仕事の数は限られています。特に農閑期にできる仕事は少ないので、地方に出稼ぎに出るのが一般的です。未だにそのような現状なので村にいながらにして現金が得られる仕事であるのなら何でも歓迎されます。それが例えワケがわからないパソコンを動かす作業であっても、です。
しかし繰り返し思いますが、シュールな話ですね。
このたびの政府商務部の発表は、まさにこういうビジネスを牽制する目的があるのだと思います。
一寸、「中国経済にとっては外貨を獲得できる商売の一種なんだから政府はしばらく黙認しててもいいんじゃないかな?」と考えました。しかしよく考えてみると別の側面でデメリットがあるのかもしれません。ゴールドファーミングの元締めはかなりグレーな組織でしょう。そういう組織に政府がコントロールできないお金が流れることになるのは歓迎できない事なのかもしれません。
もしこの件が進展して、政府が取り締まり策を施行するようになったなら、しばらく政府とゴールドファーマーとの間でイタチごっこが展開されることになるでしょう。RMTは非公式とはいえオンラインゲームを利用した現実の経済市場を形成しています。RMTで利益が得られる以上は規制をかいくぐって商売をする業者は必ず現れます。
このような中国のネットの裏で展開される動きの今後も気になるところです。